後払いで商品を買って、
売って、
現金を作る。
そんなことをしていたころ、
私はまた別の方法を見つけた。
今度は、
物を売るだけではなかった。
契約するだけで、あとから金がもらえる。
そんな仕組みだった。
契約したのは、
モバイルWi-Fiだった。
確か、
1社で4回線。
キャッシュバックは、
1回線あたり2万円か3万円くらいだったと思う。
ただし、
契約してすぐ金が入るわけではない。
数か月後に、
キャッシュバックを受け取る仕組みだった。
だから、
これまでとは少し感覚が違った。
携帯を売るときのように、
今日契約して、今日現金を作る
という話ではない。
むしろ、
どうせまた金に困るから、今のうちに契約しておこう。
そんな感覚だった。
当時の私は、
これを無茶な契約だとはあまり思っていなかった。
月額料金。
解約時の条件。
そういうものも、
一応確認していた。
ほとんど使わなければ、
月額料金もそこまで高くない。
さらに、
端末自体も売れば、
少しは金になる。
キャッシュバックまで含めれば、
最終的には得になる。
本気で、
そう思っていた。
もちろん、
モバイルWi-Fiそのものを使いたかったわけではない。
4回線も必要なはずがない。
目的は、
キャッシュバックだった。
でも、
そのことに強い違和感はなかった。
むしろ、
これまでやってきたことより、
少し賢く金を作っているような気さえしていた。
ここまで私は、
金がなくなるたびに、
その場で現金を作る方法を探してきた。
消費者金融。
クレジットカード。
携帯端末。
後払い。
でも、
モバイルWi-Fiの契約は、
少し違った。
未来に金が足りなくなることを前提に、
先に現金の種を仕込んでいた。
冷静に考えれば、
それもまた、
将来の支払いを増やしているだけだった。
でも当時の私は、
キャッシュバックの方ばかり見ていた。
あとで金が入る。
その予定があるだけで、
少し安心できた。
必要でもない契約を、
金を受け取るために増やす。
このころにはもう、
借りる。
売る。
後払いにする。
それだけではなく、
契約そのものから金を作れないか
というところまで、
考えるようになっていた。
