第30話 今度は、「契約すれば金がもらえる」に目をつけた

後払いで商品を買って、

売って、

現金を作る。

そんなことをしていたころ、

私はまた別の方法を見つけた。

今度は、

物を売るだけではなかった。

契約するだけで、あとから金がもらえる。

そんな仕組みだった。


契約したのは、

モバイルWi-Fiだった。

確か、

1社で4回線。

キャッシュバックは、

1回線あたり2万円か3万円くらいだったと思う。

ただし、

契約してすぐ金が入るわけではない。

数か月後に、

キャッシュバックを受け取る仕組みだった。


だから、

これまでとは少し感覚が違った。

携帯を売るときのように、

今日契約して、今日現金を作る

という話ではない。

むしろ、

どうせまた金に困るから、今のうちに契約しておこう。

そんな感覚だった。


当時の私は、

これを無茶な契約だとはあまり思っていなかった。

月額料金。

解約時の条件。

そういうものも、

一応確認していた。

ほとんど使わなければ、

月額料金もそこまで高くない。

さらに、

端末自体も売れば、

少しは金になる。

キャッシュバックまで含めれば、

最終的には得になる。

本気で、

そう思っていた。


もちろん、

モバイルWi-Fiそのものを使いたかったわけではない。

4回線も必要なはずがない。

目的は、

キャッシュバックだった。

でも、

そのことに強い違和感はなかった。

むしろ、

これまでやってきたことより、

少し賢く金を作っているような気さえしていた。


ここまで私は、

金がなくなるたびに、

その場で現金を作る方法を探してきた。

消費者金融。

クレジットカード。

携帯端末。

後払い。

でも、

モバイルWi-Fiの契約は、

少し違った。

未来に金が足りなくなることを前提に、
先に現金の種を仕込んでいた。


冷静に考えれば、

それもまた、

将来の支払いを増やしているだけだった。

でも当時の私は、

キャッシュバックの方ばかり見ていた。

あとで金が入る。

その予定があるだけで、

少し安心できた。


必要でもない契約を、

金を受け取るために増やす。

このころにはもう、

借りる。

売る。

後払いにする。

それだけではなく、

契約そのものから金を作れないか

というところまで、

考えるようになっていた。

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