第29話 後払いは、16社まで増えていた

後払いを使えば、

金がなくても商品を買える。

そして、

その商品を売れば、

現金が手に入る。

一度その方法を知ると、

私は後払いできる場所を探すようになった。


今でも自社後払いのサイトは残っていると思う。

有名なところではNP後払い。

当時の私は、

確認できるだけでも、

16社。

今見返しても、

かなりの数だと思う。

多くは、

1万5,000円ほどまで。

中には、

5万円ほど使えたところもあった。

一つ一つの金額だけ見れば、

それほど大きくない。

でも、

それが16社になる。


何を買うかも、

自分で使いたい物を選ぶわけではなかった。

後払いができる。

そして、

フリマアプリで売れた実績がある。

その条件で探した。

よく使ったのは、

サプリのような商品だった。

すでに売れた実績がある。

それは、

私にとってかなり大きかった。

売れるかどうか分からない物より、

現金になる可能性が高い。

そこしか見ていなかった。


本来なら、

後払いは、

あとで払う前提の仕組みだ。

でも、

私はほとんど払っていなかった。

そこが、

今振り返ると自分でも不思議なくらいだった。

支払期限が来る。

請求が届く。

それでも、

ほとんど手をつけない。


給料が入ったら払おう。

ボーナスが入ったら払おう。

そういう計画すら、

このころにはかなり薄くなっていた。

目の前で必要なのは、

今日使える現金だった。

未来の支払いは、

未来の自分に任せる。

そんな状態になっていた。


そして、

当然、

請求は消えない。

しばらくすると、

家に封筒が届くようになった。

また一通。

また一通。

違う会社から、

次々と届く。


消費者金融なら、

借金残高として数字が見える。

クレジットカードなら、

利用明細がある。

でも後払いは、

私の中では少し感覚が違っていた。

一つ一つの商品を、

あとで払うだけ。

そんなふうに見えていた。

だから、

全部をまとめて、

どれだけ未払いがあるのか。

その感覚が、

かなり薄くなっていた。


気づけば、

後払いの会社は16社。

そして、

家には請求の手紙が増えていった。

それでも私は、

支払いを整理するより、

次にどうやって現金を作るか

を考えていた。

← 前の話 | 連載一覧

タイトルとURLをコピーしました