第22話 リボ払いが危ないことは、分かっていた

クレジットカードが増えていくと、

使える金額も増えていった。

限度額は、

20万円か30万円くらいのカードが多かった。

エポスやリクルートカードは、

30万円ほどあった記憶がある。

ただ、

消費者金融で金を借りるときとは、

少し感覚が違った。


クレジットカードの枠を、

ギャンブルに使える金に変えるまでには、

ひと手間あった。

その時間がある分、

考える時間もあった。

本当にやるのか。

これは良くないことだ。

そんな感覚は、

ちゃんとあった。

借金をしているというより、

悪いことをしている。

そちらの感覚の方が近かったと思う。


だから、

何も考えずにやっていたわけではない。

やめた方がいいことも、

分かっていた。

それでも、

使える金ができて、

実際にギャンブルを始めてしまうと、

その感覚は消えた。

馬券を買う。

スロットを打つ。

そうなれば、

もう目の前の勝ち負けしか見ていなかった。


支払いも、

基本的にはリボ払いだった。

もちろん、

リボ払いが良くないことくらいは知っていた。

だからカードを申し込む段階では、

最初からリボ払いに設定していなかったこともあったと思う。

でも、

支払日が近づく。

請求額を見る。

その金額を、

そのまま払う余裕はない。

結局、

支払額を減らすために、

リボ払いに変える。


悪いと分かっている。

でも、

今月払えない。

だったら、

今月だけ何とかする。

そんなことを繰り返していた。


とはいえ、

このころはまだ、

完全に支払いが破綻していたわけではない。

給料が入れば、

各社への最低限の支払いはできた。

仮にカードが6社あっても、

1社あたり5,000円から1万円ほどなら、

なんとか給料の中に収まる。

もちろん、

その分だけ、

手元に残る給料は減っていく。

でも、

支払えている。

延滞もしていない。

だから、

まだ大丈夫だと思えた。


借金が減っているかどうかより、

今月の支払いができたかどうか。

いつの間にか、

判断基準はそこに変わっていた。

毎月払えている。

だから、

まだ破綻していない。

そう思っていた。

でも実際には、

カードの枚数も、

支払先も、

少しずつ増え続けていた。

そして、

給料日に残る金は、

確実に減っていった。

← 前の話 | 連載一覧| 次の話 →

タイトルとURLをコピーしました