消費者金融から金を借りるようになってから、
新しい会社と契約する以外にも、
使える金が増える方法があることを知った。
増枠。
利用限度額そのものを上げてもらう。
アコムも、最初は10万円だった。
そこから少しずつ枠が増え、
30万円になった。
そして大学4年生の春。
さらに増枠を申し込んだ。
大手の消費者金融では、
マイページから増枠を申し込んだ記憶がある。
そのあと電話がかかってきて、
現在の収入や状況について聞かれる。
このとき電話を受けた場所は、
今でもはっきり覚えている。
大学の敷地内だった。
そこで、
限度額が30万円から50万円になることを知った。
感想は、
「まじで!?」
だった。
10万円増えるくらいなら、
まだ想像できた。
でも一気に20万円。
当時の自分が困る金額は、
たいてい数万円だった。
そこへ突然、
20万円分の枠が追加された。
そして、このころの私は、
あることを本気で考えるようになっていた。
種銭さえあれば、自分はギャンブルで勝てる。
それまで負けてきたのは、
金がない状態で焦って打ったり、
適当に賭けたりしていたから。
今の自分には、
以前より知識がある。
無理に勝負せず、
レートを守って、
コツコツやればいい。
そうすれば勝てる。
本気でそう思っていた。
そこへ、
30万円から50万円への増枠が来た。
これなら、
金がなくなって焦る必要もない。
余裕を持って勝負できる。
「これで勝てる」
増えた20万円を見て、
私はそう考えた。
アルバイトの大学生なのに、
なぜここまで借りられるのか。
当時の私自身も、
そこは多少不思議に思っていた。
ただ、
一社あたり50万円を超えていない。
だから収入証明を細かく確認されないのだろう。
そんなふうに自分なりに納得していた。
借りられるのだから、
まだ大丈夫なのだろう。
そう考えていた。
記憶をつなぐと、
このころは、
学生ローンが10万円ほど。
モビットが20万円ほど。
そしてアコムが50万円。
三社合わせて、
借りられる枠は80万円ほどになっていた。
十年以上前なので、
細かな増枠時期には曖昧な部分もある。
ただ、
大学4年生の春にアコムが50万円になったこと。
そして、
その金を見て
「今度こそ勝てる」
と思ったことは覚えている。
今まで負けていたのは、
種銭が足りなかったから。
これからは違う。
レートを守って、
冷静にやればいい。
私は、
本気でそう思っていた。
