第14話 限度額が50万円になって、「これで勝てる」と思った

消費者金融から金を借りるようになってから、

新しい会社と契約する以外にも、

使える金が増える方法があることを知った。

増枠。

利用限度額そのものを上げてもらう。

アコムも、最初は10万円だった。

そこから少しずつ枠が増え、

30万円になった。

そして大学4年生の春。

さらに増枠を申し込んだ。


大手の消費者金融では、

マイページから増枠を申し込んだ記憶がある。

そのあと電話がかかってきて、

現在の収入や状況について聞かれる。

このとき電話を受けた場所は、

今でもはっきり覚えている。

大学の敷地内だった。

そこで、

限度額が30万円から50万円になることを知った。

感想は、

「まじで!?」

だった。

10万円増えるくらいなら、

まだ想像できた。

でも一気に20万円。

当時の自分が困る金額は、

たいてい数万円だった。

そこへ突然、

20万円分の枠が追加された。


そして、このころの私は、

あることを本気で考えるようになっていた。

種銭さえあれば、自分はギャンブルで勝てる。

それまで負けてきたのは、

金がない状態で焦って打ったり、

適当に賭けたりしていたから。

今の自分には、

以前より知識がある。

無理に勝負せず、

レートを守って、

コツコツやればいい。

そうすれば勝てる。

本気でそう思っていた。

そこへ、

30万円から50万円への増枠が来た。

これなら、

金がなくなって焦る必要もない。

余裕を持って勝負できる。

「これで勝てる」

増えた20万円を見て、

私はそう考えた。


アルバイトの大学生なのに、

なぜここまで借りられるのか。

当時の私自身も、

そこは多少不思議に思っていた。

ただ、

一社あたり50万円を超えていない。

だから収入証明を細かく確認されないのだろう。

そんなふうに自分なりに納得していた。

借りられるのだから、

まだ大丈夫なのだろう。

そう考えていた。


記憶をつなぐと、

このころは、

学生ローンが10万円ほど。

モビットが20万円ほど。

そしてアコムが50万円。

三社合わせて、

借りられる枠は80万円ほどになっていた。

十年以上前なので、

細かな増枠時期には曖昧な部分もある。

ただ、

大学4年生の春にアコムが50万円になったこと。

そして、

その金を見て

「今度こそ勝てる」

と思ったことは覚えている。

今まで負けていたのは、

種銭が足りなかったから。

これからは違う。

レートを守って、

冷静にやればいい。

私は、

本気でそう思っていた。

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