第25話 50万円も、自分の預金みたいに使っていた

バンクイックで、

50万円の枠が出た。

最初に、

20万円ほど下ろした。

そこから先は、

必要になるたびに少しずつ使った。

今振り返ると、

この使い方もずっと同じだった。

借りた金なのに、

感覚としては、

自分の預金を引き出しているのとあまり変わらなかった。


50万円の使い道は、

ほとんどギャンブルだった。

あとは、

最低限の借金返済。

飲食代などの生活費。

借金を減らすために、

まとまった返済へ回したわけではない。

せっかく50万円という大きな枠が出たのに、

それを立て直しには使わなかった。


それでも、

50万円はすぐにはなくならなかった。

記憶では、

2か月くらいは持ったと思う。

20万円を使う。

少し減る。

また使う。

そんなことを繰り返しながら、

残りの枠はじわじわ減っていった。


残り20万円。

まだ大丈夫。

残り15万円。

まだ大丈夫。

このあたりまでは、

それほど焦っていなかった。

でも、

残り10万円を切るくらいになると、

さすがに終わりが見えてきた。

もうすぐ使える金がなくなる。

そう感じるようになった。


ここで、

自分のギャンブルの仕方にも、

少し変化が出た。

レートを下げる。

使う金額を少し抑える。

なくなるのが怖くなって、

守りに入る。

私は、

そういうタイプだった。


金がなくなってくると、

一発逆転を狙って、

むしろ賭け金を上げる人もいると思う。

金額を変えずに、

同じペースで続ける人もいる。

少なくとも自分の感覚では、

私はそのどちらでもなかった。

残りが少なくなるほど、賭ける額も小さくなった。


だからといって、

やめるわけではない。

そこが一番大事なところだった。

賭け金を下げる。

少し長く持たせる。

でも、

ギャンブルそのものは続ける。

結局、

減る速さが少し遅くなるだけだった。


50万円もあった。

それでも、

なくなる。

残りが少なくなれば、

少し怖くなる。

それでも、

やめない。

今思えば、

このころにはもう、

「なくならないように使う」ことは考えていても、
「使わない」という選択肢はほとんどなかった。

そして、

50万円あったはずの枠も、

少しずつ終わりに近づいていった。

← 前の話 | 連載一覧

タイトルとURLをコピーしました