第28話 売る物がなくなって、「後払い」で商品を買い始めた

金がない。

でも、

家の中を探せば、

意外と売れる物はあった。

ちょうどそのころ、

メルカリがかなり広がり始めていた。

使っていない物。

昔買った物。

もう必要のない物。

こんな生活をしていても、

探せば数千円になる物が、

自宅にはまだ残っていた。


だから、

最初は普通だった。

不用品を売る。

現金にする。

足りない分の足しにする。

誰でも思いつくようなことだった。


でも、

当然、

売る物には限界がある。

一つ売る。

また一つ売る。

そのうち、

家の中を探しても、

金になりそうな物がなくなっていく。


消費者金融は、

もう厳しい。

クレジットカードも、

新しく作れない。

携帯電話の分割も、

だんだん通らなくなってきた。

もう、さすがに終わりかもしれない。

そう思うところまで来た。


でも、

私が考えたのは、

ギャンブルをやめることではなかった。

ほかに金を作る方法はないか。

また、

それを探した。


そこで、

発想が変わった。

売る物がないなら、

売るための商品を買えばいい。

ネットで商品を買う。

それを、

フリマアプリや店舗で売る。

多少損をしても、

早く現金が手に入るなら、

それでいい。

利益を出したいわけではなかった。

欲しいのは、

現金だった。


ただ、

ここで一つ問題がある。

商品を買うにも、

当然、

金が必要になる。

金がないから、

売る物を探している。

なのに、

売るための商品を買う金もない。

普通なら、

ここで終わる。


そこで、

また別の方法を見つけた。

後払い。

商品は先に届く。

支払いは、

あとでいい。

だったら、

先に商品を受け取って、

それを売れば、

今すぐ現金が作れる。


ここまで来ると、

もう買い物ではなかった。

欲しい商品を買うわけでもない。

必要な物を買うわけでもない。

最初から、

売るために買う。

しかも、

その金はまだ払っていない。


金がない。

後払いで商品を買う。

商品を売る。

現金にする。

そして、

支払いは未来に回す。

私は、

そんなやり方で、

生活をつなごうとするようになった。


今振り返ると、

かなり無茶なことをしていたと思う。

でも当時は、

多少損をしてでも、

今ここに現金がある方が大事だった。

明日の支払いより、

今日の現金。

その考え方が、

どんどん強くなっていた。


不用品を売っていたはずが、

いつの間にか、

売るための商品を、

後払いで買っていた。

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