「債務整理」という言葉は、
前から知っていた。
借金について調べていれば、
何度か目にする。
「そろそろ、そういうことも考えないといけないのかな」
と思ったこともあった。
でも、
ずっと優先順位は低かった。
まだ借りられるところを探す。
何か別の方法で金を作る。
まずは、
目の前の支払いを乗り切る。
それを繰り返していた。
でも、
もう本当に回らなくなっていた。
前回書いたように、
手取りは約22万円。
通常の借金だけで約295万円あり、
最低返済だけでも月15万円前後。
家賃や携帯代、
光熱費まで払えば、
食費を考える前にほとんど残らない。
ここまで来て、
ようやく私は、
債務整理について本気で調べ始めた。
調べてみると、
債務整理にも種類があるらしい。
任意整理。
個人再生。
自己破産。
当時の私は、
この3つを見比べた。
自己破産は、
借金そのものを大きく整理できる。
でも、
私には抵抗があった。
個人再生も含めて調べる中で、
なぜか私は、
官報に名前が載ること
をかなり怖がっていた。
官報なんて、
それまで一度も見たことがなかったのに。
そして、
一番現実的に見えたのが、
任意整理だった。
私が気にしていたのは、
借金の総額がいくら減るかより、
毎月いくら払えばいいのか。
そこだった。
もう、
総額を気にしている余裕はあまりなかった。
毎月の支払いを、
とにかく何とかしたかった。
それと、
もう一つ大きかったのが、
支払いをまとめられることだった。
給料日が来れば、
何社もの返済手続きをする。
一社払って、
また別の会社に払う。
それを毎月繰り返していた。
返済先がまとまるだけでも、
かなり楽になると思った。
もちろん、
任意整理にも怖いことはあった。
私が特に気にしていたのは、
長い間、新しく借りられなくなることだった。
ここまで借金で苦しんでいるのに、
それでも、
「借りられなくなるのは怖い」
と思っていた。
今考えると、
かなりおかしな話だ。
でも、
当時は本気でそう思っていた。
それでも、
このままではどうにもならない。
私は、
任意整理の無料相談ができるところを探した。
たしか、
3社くらいに問い合わせたと思う。
借入先が何社あるのか。
それぞれ、
いくらくらい残っているのか。
そういった情報を書いて送った。
すると、
各社から返信が来た。
そこには、
任意整理をした場合、
月々いくらくらいの返済になりそうか
という目安も書かれていた。
その金額を見て、
私は少し驚いた。
思っていたより、
高かった。
もっと一気に楽になるものだと思っていた。
それでも、
今のままよりは現実的だった。
このころの私は、
本気でこう思っていた。
これで生活がまともになる。
ちゃんと払って、
ここから立て直そう。
何年も、
「次はどこから金を作るか」
ばかり考えてきた。
ここで初めて、
私は、
今ある借金をどう返していくか
を本気で考え始めた。
