第40話 審査のために店まで行ったら、説教された

また、

借金関連の掲示板を見ていた。

そこで、

「審査に通りやすい」

と言われている消費者金融を見つけた。

もう借入先はかなり増えていた。

それでも、

通る可能性があるなら申し込む。

当時の私にとっては、

いつものことだった。


申し込んだあと、

「審査のために来店してください」

と言われた。

東京都内の店舗だった。

電車に乗って、

一人で向かった。

来店まで求められたことで、

私はむしろ期待していた。

わざわざ店まで呼ぶということは、借りられるんじゃないか。

そんなふうに考えていた。


店舗では、

かなり細かく聞かれた。

他社からいくら借りているのか。

借金の総額。

収入。

家族構成。

そして、

毎月の収入と支出を、

その場で書き出した。

なぜ、

ここまで借金が増えたのか。

何に使ったのか。

そんなことも聞かれた。


私は、

本当の理由をそのまま話さなかった。

ギャンブルでここまで増えたと言えば、

審査に落ちると思ったからだ。

金があると飲みに行ってしまう。

人に奢ってしまう。

他人によく見られたくて、

使いすぎてしまう。

そんな説明をした。

全部が完全な嘘というわけではない。

でも、

借金がここまで膨らんだ一番の理由は、

そこではなかった。


話を聞いていたのは、

かなり高圧的な男性だった。

そして、

審査の結果を告げられた。

「この状態では、うちでは貸せない」

ここまでは、

まだ普通だった。

問題は、

そのあとだった。


男性は、

そのまま私に話し始めた。

これまで、

私のような人を何人も見てきたこと。

このままでは、

人生がどんどん悪い方向へ行くこと。

普通の人は、

収入の範囲で支出を抑えて、

欲しいものを我慢しながら生活していること。

そして、

私にはその「我慢」が足りない。

欲望のままに金を使い続けていたら、

本当にどうしようもなくなる。

だいたい、

そんな内容だったと思う。


私は、

説教されていた。

金を借りに来た消費者金融で。


店を出たあと、

泣きながら帰った。

なぜ泣いたのかは、

今でもよく分からない。

久しぶりに大人から強い口調で説教されて、

その圧に耐えられなかっただけかもしれない。

心のどこかでは、

言われていることが正しいと分かっていたのかもしれない。

でも、

少なくとも店を出たときの私は、

素直に反省してはいなかった。

何言ってんだよ。

俺はまだ大丈夫だ。

そんな気持ちの方が強かった記憶がある。


今なら、

あの人が何を言いたかったのかは分かる。

でも、

当時の私は、

泣くほど言われても、

まだ自分を「どうしようもない状態」だとは思っていなかった。

そして結局、

金も借りられないまま、

家に帰った。

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