第35話 700,000円を当てた翌日、25,000円を複勝に入れていた

2018年6月4日。

1,400円で買った三連単が当たり、

700,660円になった。

家に帰って、

一応は借金の返済について考えた。

でも、

計算してみると、

70万円では足りなかった。

そして翌日。

私はもう、

地方競馬をやっていた。


6月5日。

大井競馬10R。

買ったのは、

1頭の複勝だった。

購入金額は、

25,000円。

払戻金は、

182,500円。


25,000円を入れるとき、

特別に緊張した記憶はない。

前日に、

70万円を当てている。

その時点で残高がいくらだったのかは、

もう覚えていない。

ただ、

25,000円という金額を、

異常に大きな勝負だとは感じていなかった。


その翌日も、

大きな金額で馬券を買っている。

6月6日には、

単勝に35,000円。

さらに翌日の6月7日には、

複勝に40,000円。

35,000円。

40,000円。

数字だけ見れば、

少しずつ増えているように見える。

でも、

当時の私にとって、

その5,000円の差に大した意味はなかった。

このあたりの金額が、

そのときの普通のレートになっていただけだった。


70万円を当てたことで、

何か新しいギャンブルを始めたわけではない。

予想方法が変わったわけでもない。

やっていることは、

普段と同じだった。

違うのは、

使える金が一桁増えたこと。

だから、

賭ける金額も一桁大きくなった。

それだけだった。


それでも、

余裕があったわけではない。

むしろ私は、

減っていく残高の方を気にしていた。

70万円を当てた夜に、

借金を計算している。

そして、

全然足りないことも分かっていた。

だから、

70万円という数字を見ても、

これだけあれば大丈夫

とは思えなかった。


増やさないといけない。

そんな感覚があった。

一度大きく当てたのだから、

もう一度当てればいい。

実際、

翌日以降も当たっていた。

18万円。

10万円。

11万円。

ほかにも、

いくつか的中している。


それでも、

残高は増えていかなかった。

一時的に戻る。

また賭ける。

減る。

当たる。

また賭ける。

結局、

大きく上振れて、

80万円、90万円と増えていった記憶はない。


借金返済にも、

少しは使ったと思う。

でも、

大した金額ではなかった。

それは、

70万円がなくなったあとに、

強く思ったから覚えている。

もっと返しておけばよかった。


70万円を当てた。

その後も、

何度も当てた。

それなのに、

生活は何も変わらなかった。

考え方も、

賭け方も、

基本的には同じだった。

金が増えれば、

賭け金も増える。

そして、

金が減ってくれば、

焦る。

一桁変わっただけで、
やっていることは普段と何も変わっていなかった。

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