祖母が亡くなったあと、
祖父から80万円ほどをもらった。
その話を聞いたとき、
私は一応、
「半分くらいは借金を返そう」
と考えていた。
前年の6月には、
700,000円の馬券を当てて、
ほとんど残せなかった。
その反省も、
多少はあったはずだ。
でも、
実際に返済に使ったのは、
10万円くらいだったと思う。
半分どころではない。
残りは、
いつものように消えていった。
地方競馬。
パチスロ。
生活費。
細かい使い道は、
正直ほとんど覚えていない。
80万円という、
かなり大きな金額だったはずなのに。
それほど印象に残っていないということは、
結局、
特別な使い方はしなかったのだと思う。
借金がある人なら、
まとまった金が入ったとき、
「これで一気に返せる」
と思ったことがある人もいるかもしれない。
私も、
何度もそう思った。
でも、
実際に金が手元に入ると、
全部を返済に使うのが惜しくなる。
少しくらい残してもいい。
これだけあれば、
また増やせるかもしれない。
少なくとも私は、
そうだった。
そして、
80万円もなくなった。
そのあとに残ったのは、
いつもの生活だった。
給料が入る。
支払いをする。
生活費が必要になる。
また金が足りなくなる。
これまでは、
大きく勝ったり、
新しく借りたり、
普通ではない方法で金を作ったりして、
そのたびに何とかつないできた。
でも、
そういう金が入らなければ、
もう回らない。
それが、
はっきり見えるようになった。
問題は、
借金の総額だけではなかった。
毎月の支払いそのものが、もう限界だった。
給料だけでは、
普通に生活しながら払い続けることができない。
まとまった金が入っても、
結局、
その場をしのいだだけだった。
そして私は、
ようやく別の方法を考え始めた。
任意整理だった。
