金がない。
それは、
もう特別なことではなかった。
毎月の支払いをして、
生活費が必要になって、
また金が足りなくなる。
いつものことだった。
そんなころ、
借金関連の掲示板を見ていて、
「アイフルは通りやすい」
という書き込みを見かけた。
本当かどうかは分からない。
でも、
もう普通に申し込んで通るような状態ではないことは、
自分でも分かっていた。
だから、
ほとんどダメ元だった。
申し込んでしばらくすると、
メールが来た。
審査に通っていた。
ほんとに!?
まず思ったのは、
それだった。
ここまで借入先が増えて、
クレジットカードも作れなくなって、
それでもまだ、
新しく借りられるところがあった。
信じられなかった。
そして、
利用できる金額を見た。
5万円。
その瞬間、
今度はこう思った。
少なっ。
5万円。
あなたなら、
5万円あったら何をするだろうか。
少し良いものを買う。
旅行に行く。
貯金する。
家族で何度か外食する。
借金があるなら、
返済に回す人もいると思う。
本来なら、
5万円は決して小さな金額ではない。
でも、
このころの私にとっては、
その5万円が驚くほど小さく見えていた。
何に使ったのかも、
ほとんど覚えていない。
返済したのか。
生活費に使ったのか。
ギャンブルに使ったのか。
おそらく、
いつものように混ざって消えていったのだと思う。
それくらい、
5万円は何も残さず消えた。
もちろん、
借金は5万円増えた。
それだけではない。
借入先も、また1社増えた。
それなのに、
当時の私は、
そこを大きな問題だとは感じていなかった。
「また借金が増えた」
というより、
「5万円しか借りられなかった」
という感覚の方が近かった。
今なら、
5万円の重さは分かる。
でも、
借金を重ね続けていた当時の私は、
金額に対する感覚まで、
かなりおかしくなっていた。
そして、
その5万円もなくなった。
毎月の支払いは、
何も変わらず残っていた。
